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特集 内視鏡的乳頭切除術まるわかり
[各論]
EP前の内視鏡診断および生検の実際と問題点
Endoscopic and biopsy diagnosis of ampullary tumor: Best practice and limits
中井 陽介
1,2
,
白田 龍之介
1
,
高原 楠昊
2
,
辻 陽介
2
,
木暮 宏史
2
,
藤城 光弘
2
Yousuke Nakai
1,2
,
Ryunosuke Hakuta
1
,
Naminatsu Takahara
2
,
Yosuke Tsuji
2
,
Hirofumi Kogure
2
,
Mitsuhiro Fujishiro
2
1東京大学医学部付属病院光学医療診療部消化器内科
2東京大学医学部消化器内科
キーワード:
乳頭部腫瘍
,
内視鏡診断
,
生検
Keyword:
乳頭部腫瘍
,
内視鏡診断
,
生検
pp.32-37
発行日 2022年1月25日
Published Date 2022/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000006
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はじめに
十二指腸乳頭部腫瘍に対する治療には,乳頭切除術と膵頭十二指腸切除術があるが,その侵襲度は大きく異なるため,正確な悪性度および病期診断は適切な治療選択のために重要である。消化管内視鏡領域のうち,胃・大腸の早期癌は内視鏡治療の適応を判断するための拡大内視鏡による深達度診断がある程度確立されているのに対して,十二指腸乳頭部腫瘍は疾患頻度が高くないこともあり,内視鏡診断は確立されていない。しかし乳頭部腫瘍に対する治療は,以前は外科治療が第一選択であったが,近年では低侵襲な内視鏡治療が選択される機会も増えており,術前内視鏡診断はますます重要となってきている。また内視鏡的乳頭切除術(endoscopic papillectomy:EP)の適応は,腺腫病変が基本であるが,最近では腺癌のうちT1aなど,一部その適応は乳頭部癌にまで広がりつつある1)。内視鏡治療の適応が問題となる病変においては,CTやMRIの有用性は限られている。
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