Japanese
English
特集 GERDを極める
[各論 病態と診断]
食道胃接合部の病理診断―GERDを中心に―
Pathological diagnosis of gastroesophageal junction with a focus on GERD
藤島 史喜
1
,
根本 哲生
2
,
小池 智幸
3
,
首藤 千博
3
,
谷地 一真
3
,
齊藤 真弘
3
,
名久井 実
4
,
正宗 淳
3
,
鈴木 貴
5
Fumiyoshi Fujishima
1
,
Tetsuo Nemoto
2
,
Tomoyuki Koike
3
,
Yukihiro Shuto
3
,
Kazuma Yachi
3
,
Masahiro Saito
3
,
Minoru Nakui
4
,
Atsushi Masamune
3
,
Takashi Suzuki
5
1東北大学病院病理部
2昭和大学横浜市北部病院臨床病理診断科
3東北大学病院病消化器内科
4なくい外科内科胃腸内科クリニック
5東北大学医学部医学系研究科病理診断学分野
キーワード:
逆流性食道炎
,
GERD
,
反応性異型
Keyword:
逆流性食道炎
,
GERD
,
反応性異型
pp.637-643
発行日 2023年5月25日
Published Date 2023/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000737
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はじめに
胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease: GERD)は,食道上皮が酸を主とした胃内容物に曝露され障害されることで生じ,胸やけなどの症状を伴う。要因は多数あるが,下部食道のsphincter toneに問題があることは意見の一致が得られている。胆汁逆流や胃切除後の影響が要因として考えられており,アルコール,たばこ,加齢,膠原病など他にも関係性が明確となっていない因子も多数指摘されている。Helicobacter pyloriについても噴門部・食道胃接合部の炎症の要因となると報告されている1)。胸焼けの症状があっても食道粘膜障害が生じる人と生じない人がいる理由は明らかになっておらず,GERDの症状と組織学的変化は必ずしも比例しないとされる。また炎症の程度も内視鏡所見と組織所見で一致しないことが知られている。本稿では食道胃接合部やGERDについて概説を行い,生検が行われたGERD症例を中心に提示する。
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