Japanese
English
特集 消化管出血のすべて
[各論 その他]
胆膵疾患による出血
Bleeding associated with pancreatobiliary diseases
山本 健治郎
1
,
祖父尼 淳
1
,
土屋 貴愛
1
,
石井 健太郎
1
,
田中 麗奈
1
,
殿塚 亮祐
1
,
向井 俊太郎
1
,
永井 一正
1
,
松波 幸寿
1
,
糸井 隆夫
1
Kenjiro Yamamoto
1
,
Atsushi Sofuni
1
,
Takayoshi Tsuchiya
1
,
Kentaro Ishii
1
,
Reina Tanaka
1
,
Ryosuke Tonozuka
1
,
Shuntaro Mukai
1
,
Kazumasa Nagai
1
,
Yukitoshi Matsunami
1
,
Takao Itoi
1
1東京医科大学臨床医学系消化器内科学分野
キーワード:
胆膵疾患
,
出血
,
内視鏡的止血法
Keyword:
胆膵疾患
,
出血
,
内視鏡的止血法
pp.538-544
発行日 2023年4月25日
Published Date 2023/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000714
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はじめに
近年,ERCPおよびEUS関連処置の進歩は著しく,さまざまな胆膵疾患に対して内視鏡治療が行われるようになった。しかし,これらの処置は出血や膵炎,穿孔をはじめとしたさまざまな偶発症を引き起こす危険性があり,緊急処置を要することもある。特に出血に関して,内視鏡的に止血が可能なものから,IVRが必要なものもあり,その病態を見極めたうえで,迅速に適切な治療を選択する必要がある。一方で,高齢化社会に伴い抗血栓薬を使用している患者に対して内視鏡治療を行う機会が増えている。抗血栓薬を休薬した際に起こる血栓塞栓症は重篤な転帰をとることが多いことから,現行のガイドライン1, 2)では,内視鏡手技の出血危険度と併存疾患の血栓塞栓症の危険度を加味した血栓薬の休薬の方法が推奨されており,抗血栓薬を休薬せずに内視鏡処置を行う機会が多くなり,出血性偶発症の頻度が増えることが予想される。本稿では,胆膵疾患による出血のうち,胆膵内視鏡処置に起因して生じる出血を中心に,その対応も含めて述べる。
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