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特集 大腸T1癌の診断と治療―内視鏡医・外科医・病理医のクロストーク―
[各論 追加治療―予後を考慮した追加治療の判断:大腸T1癌のリンパ節転移と再発―短期・長期予後の観点から]
外科医の立場から
Surgeon’s point of view
塚本 史雄
1
,
塚本 俊輔
1
,
金光 幸秀
1
Fumio Tsukamoto
1
,
Shunsuke Tsukamoto
1
,
Yukihide Kanemitsu
1
1国立がん研究センター中央病院大腸外科
キーワード:
T1大腸癌
,
術後合併症
,
術後QOL
Keyword:
T1大腸癌
,
術後合併症
,
術後QOL
pp.101-105
発行日 2023年1月25日
Published Date 2023/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000597
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はじめに
すべての外科手術の適応は手術が患者にもたらす「ベネフィット」と「リスク」のバランスを考慮して決定される。内視鏡で切除されたT1大腸癌に対する追加切除の「ベネフィット」は転移リスクのあるリンパ節の郭清による再発の抑制,予後の延長である。一方で,「リスク」は周術期に生じうる術後合併症や手術に伴うQOLの低下などが当てはまる。ベネフィットとリスクの双方に関して十分に理解していなければ,個々の症例において適切な追加切除の判断は困難となる。本稿では,内視鏡切除後T1大腸癌に対する追加切除のベネフィットとリスクのそれぞれについて,外科医の立場から検討する。
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