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特集 大腸T1癌の診断と治療―内視鏡医・外科医・病理医のクロストーク―
[各論 追加治療―予後を考慮した追加治療の判断:大腸T1癌のリンパ節転移と再発―短期・長期予後の観点から]
内視鏡医の立場から―適応拡大派
Endoscopist’s point of view: wait-and-see policy without an additional surgery after a non-curative endoscopic resection
鴫田 賢次郎
1
,
永田 信二
2
,
朝山 直樹
2
,
青山 大輝
2
,
福本 晃
1
,
金子 真弓
3
,
向井 伸一
2
Kenjiro Shigita
1
,
Shinji Nagata
2
,
Naoki Asayama
2
,
Taiki Aoyama
2
,
Akira Fukumoto
1
,
Mayumi Kaneko
3
,
Shinichi Mukai
2
1広島市立北部医療センター安佐市民病院内視鏡内科
2広島市立北部医療センター安佐市民病院消化器内科
3広島市立北部医療センター安佐市民病院病理診断科
キーワード:
大腸T1癌
,
治療方針
,
予後
Keyword:
大腸T1癌
,
治療方針
,
予後
pp.93-100
発行日 2023年1月25日
Published Date 2023/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000596
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はじめに
現在「大腸癌治療ガイドライン医師用2022年版」1)では,大腸T1癌に対する内視鏡切除後のpT1癌(SM)癌の治療指針について,「内視鏡切除後標本の病理組織学的評価にて,①pT1b(SM浸潤度1,000μm以上),②脈管侵襲陽性,③低分化腺癌,印環細胞癌,粘液癌,④浸潤先進部の簇出(budding)Grade 2/3のどれかが該当した場合,追加治療としてリンパ節郭清を伴う腸切除を弱く推奨する」と記載されているが,これはリンパ節転移リスク因子を一つでも認めれば追加外科手術を行うべきであるという意味ではなく,リンパ節転移危険因子の組み合わせからリンパ節転移率を予測し,年齢や基礎疾患,社会背景や人生観の異なる患者一人一人に対して,外科手術を受けるメリット(得られる根治度)とデメリット(手術リスクや術後のQOL低下,再発リスクなど)のどちらが大きいのかを総合的に判断し,治療方針を決めなければならないということである。
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