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特集 表在型食道扁平上皮癌―内視鏡診断と治療update―
[各論 表在型食道扁平上皮癌の内視鏡治療と治療後サーベイランス]
表在型食道癌のESD―高難易度症例への対策
ESD for superficial esophageal carcinoma―strategy in difficult situations
高橋 宏明
1
,
岡原 聡
1
,
横山 崇
1
,
菅原 伸明
1
,
小平 純一
1
,
松本 岳士
1
Hiroaki Takahashi
1
,
Satoshi Okahara
1
,
Takashi Yokoyama
1
,
Nobuaki Sugawara
1
,
Junichi Kodaira
1
,
Takeshi Matsumoto
1
1恵佑会第2病院消化器内科
キーワード:
表在型食道癌
,
ESD
,
高難易度症例
Keyword:
表在型食道癌
,
ESD
,
高難易度症例
pp.1851-1857
発行日 2022年11月25日
Published Date 2022/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000536
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要旨
食道表在癌に対するESDの普及に伴い,難易度が高い病変に遭遇する機会が増えてきているが,現状ではこれらに対する対応策の解説や報告はまだ多くはない。そこで本稿では,比較的難易度が高いとされる左壁側の病変,下部食道括約筋(LES)に重なって伸展しにくい部位の病変,瘢痕に接する病変,大型病変などへの対策を解説する。左壁側の病変では病変部が水没しないようにする努力が必要であり,相対的に浮きにくいため先端アタッチメントなどにより,潜り込んだ処置が必要となる。LESに重なって伸展しにくい部位の病変では,狭い視野,ワーキングスペースでの処置を強いられるが,通常よりも近づいて少しずつ切開・剝離を進めていく。瘢痕に接する病変は最近遭遇する頻度が増えてきているが,瘢痕のない部位から筋層の深度を見極め,適切な深度で処置を進める必要がある。大型病変では,基本は標準的な処置と変わらないが,糸付きクリップなどのトラクション法を用いることにより,処置が簡便化される。これら治療困難例においてもわずかな工夫によりESDが安全かつ根治的に行えるようになってきている。今後のさらなる発展に期待したい。
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