連載 内視鏡の読み方
腫瘍辺縁に上皮下浸潤所見を伴う平坦陥凹型の表在型食道癌
泉 敦子
1
,
由雄 敏之
1
,
河内 洋
2
,
中尾 栄祐
1
,
石山 晃世志
1
,
土田 知宏
1
,
藤崎 順子
1
1がん研有明病院消化器内科
2がん研有明病院病理部
キーワード:
表在型食道癌
,
上皮下浸潤
,
扁平上皮癌
Keyword:
表在型食道癌
,
上皮下浸潤
,
扁平上皮癌
pp.568-573
発行日 2021年4月20日
Published Date 2021/4/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001768
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表在型食道癌の治療方針を決定する際には術前の深達度診断が非常に重要であるが,正確に判断することはなかなか難しい.深達度を診断する際は白色光による通常観察で形態的特徴を観察して病変の肉眼型を確認し,空気量の調整に伴う壁伸展の程度に応じた形態変化などの所見を得る.それに加えてNBI (narrow band imaging)拡大観察や,時に超音波内視鏡(endoscopic ultrasonography;EUS)所見もあわせて,総合的に診断する.術前に深読みすると内視鏡切除適応の病変にもかかわらず,侵襲の大きい外科切除や化学放射線療法を選択してしまうことになり,浅読みすると実際には深部浸潤している病変に内視鏡切除を選択してリスクの高い治療を行うことになるため,より正確な術前診断が求められる.
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