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特集 表在型食道扁平上皮癌―内視鏡診断と治療update―
[各論 表在型食道扁平上皮癌の内視鏡治療と治療後サーベイランス]
表在型食道癌のESD―ストラテジーの立て方と基本手技
ESD for superficial esophageal squamous cell carcinoma―basic strategy and procedures
北村 陽子
1
,
小畠 康平
1
,
岡本 直樹
1
,
岸埜 高明
1
,
福本 晃平
1
,
奥田 隆史
1
,
金政 和之
1
,
島田 啓司
2
Yoko Kitamura
1
,
Kouhei Obata
1
,
Naoki Okamoto
1
,
Takaaki Kishino
1
,
Kouhei Fukumoto
1
,
Takashi Okuda
1
,
Kazuyuki Kanemasa
1
,
Keiji Shimada
2
1市立奈良病院消化器肝臓病センター・消化器内科
2市立奈良病院病理診断科
キーワード:
食道癌ESDの適応
,
糸付きクリップ
,
食道腺
Keyword:
食道癌ESDの適応
,
糸付きクリップ
,
食道腺
pp.1844-1850
発行日 2022年11月25日
Published Date 2022/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000535
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要旨
食道ESDは,患者にとって低侵襲な治療である。しかし食道壁は薄く狭い管腔臓器であり,コントロールできない心拍動・呼吸性変動の中,椎体・気管・大動脈の圧排の影響で内視鏡操作が制限されるなかで処置を行う必要があることを理解しておく必要がある。安全・確実に治療を行うため,ストラテジー・基本手技を知る必要がある。実際のESDにおいては,安全にESDを行うために,先端アタッチメントおよび糸付きクリップでのトラクションは必須である。剝離においては,固有筋層を露出させず,かつ食道腺を標本側に付ける剝離深度での剝離を進める重要性を強調したい。病変を切除したら終了ではなく,速やかに検体回収し正しく検体処置を行い詳細な病理学的評価ができる検体を病理医にバトンタッチする。そして,病理診断から内視鏡治療後の追加治療についても判断を行うまでが,内視鏡医の仕事であることを忘れてはいけない。
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