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特集 表在型食道扁平上皮癌―内視鏡診断と治療update―
[各論 表在型食道扁平上皮癌の内視鏡診断]
超音波細径プローブを用いた表在型食道扁平上皮癌の深達度診断
Superficial esophageal squamous cell carcinoma: diagnosis of depth using miniature probes
吉永 繁高
1,2
,
高丸 博之
1,2
,
牧口 茉衣
1,2
,
阿部 清一郎
1,2
,
野中 哲
1,2
,
鈴木 晴久
1,2
,
斎藤 豊
2
,
橋本 大輝
2
,
関根 茂樹
3
Shigetaka Yoshinaga
1,2
,
Hiroyuki Takamaru
1,2
,
Mai Makiguchi
1,2
,
Seiichiro Abe
1,2
,
Satoru Nonaka
1,2
,
Haruhisa Suzuki
1,2
,
Yutaka Saito
2
,
Taiki Hashimoto
2
,
Shigeki Sekine
3
1国立がん研究センター先端医療開発センター内視鏡機器開発分野
2国立がん研究センター中央病院内視鏡科
3国立がん研究センター中央病院病理診断科
キーワード:
食道
,
扁平上皮癌
,
表在型
,
EUS
,
超音波細径プローブ
Keyword:
食道
,
扁平上皮癌
,
表在型
,
EUS
,
超音波細径プローブ
pp.1831-1835
発行日 2022年11月25日
Published Date 2022/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000533
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要旨
表在型食道扁平上皮癌の深達度診断において通常内視鏡観察,NBI/BLI併用拡大内視鏡観察とともに高周波超音波細径プローブを用いたEUSが用いられてきた。しかし,頸部食道や食道胃接合部に近いところに位置する病変など技術的にEUSが困難な病変や,線維化,リンパ組織の増生,食道腺やretention cyst,脈管など癌の鑑別が困難である変化がある病変や大きな病変など病変側の因子でEUS診断に影響があるとされている。また近年の研究の結果,EUS診断は通常内視鏡観察,NBI併用拡大内視鏡観察による診断に加味しても診断能向上に寄与せず,追加することにより深読みの傾向があったと報告されている。当院では通常内視鏡観察による診断とNBI併用拡大内視鏡観察による診断に乖離がある症例や通常の診断学では診断が難しい化学放射線療法後の再発病変などがよい適応と考えている。このように内視鏡の進歩によりその役割は変化したが,今後も適応をふまえて基本に準じた検査を行っていく必要がある。
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