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特集 症例から学ぶ大腸ESD―失敗しないためのKnacks & Tips―
[各論 症例から学ぶESD:病変別攻略法]
PAEMが必要な病変(直腸のT1b)
Lesions which require peranal endoscopic myectomy (PAEM)
鴫田 賢次郎
1
,
永田 信二
2
Kenjiro Shigita
1
,
Shinji Nagata
2
1広島市立北部医療センター安佐市民病院内視鏡内科
2広島市立北部医療センター安佐市民病院消化器内科
キーワード:
内視鏡的内輪筋切除術
,
下部直腸
,
T1b癌
Keyword:
内視鏡的内輪筋切除術
,
下部直腸
,
T1b癌
pp.1714-1720
発行日 2022年10月25日
Published Date 2022/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000505
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Ⅰ.下部直腸のcT1b癌に対する治療方針
大腸T1癌のリンパ節転移率は約10%であることから,治療方針としてリンパ節郭清を伴う腸切除が推奨される1)。しかし,大腸癌研究会のプロジェクト研究2)で,病理組織学的にリンパ節転移危険因子を検討することにより,大腸T1癌はリンパ節転移リスクが約1~2%の低リスク群と,約15~30%の高リスク群に層別化されることが報告された。この結果から,内視鏡切除されたpT1癌の追加治療に関しては,病理学的因子から推定されたリンパ節転移率と,手術自体の偶発症や術後QOL低下の問題,患者の年齢や基礎疾患などの身体的背景や社会的背景,また患者自身の意思などを十分に考慮したうえで適応を決定することが重要となっている1)。
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