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特集 症例から学ぶ大腸ESD―失敗しないためのKnacks & Tips―
[各論 症例から学ぶESD:部位別攻略法]
虫垂口・憩室にかかる病変
Lesions involving the appendiceal orifice or colonic diverticulum
鷹尾 俊達
1
,
豊永 高史
1
,
池澤 伸明
1
,
中野 佳子
1
,
児玉 裕三
1
Toshitatsu Takao
1
,
Takashi Toyonaga
1
,
Nobuaki Ikezawa
1
,
Yoshiko Nakano
1
,
Yuzo Kodama
1
1神戸大学医学部附属病院光学医療診療部
キーワード:
大腸ESD
,
虫垂口
,
憩室
,
pocket creation method
,
traction method
Keyword:
大腸ESD
,
虫垂口
,
憩室
,
pocket creation method
,
traction method
pp.1665-1669
発行日 2022年10月25日
Published Date 2022/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000496
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Ⅰ.背 景
大腸憩室は欧米諸国のみならず,本邦を含むアジアでも増加傾向にある1)。そういった背景に相まって,大腸内視鏡検査において憩室や虫垂口に近接あるいはそれらのうえに存在する腫瘍が発見されることがある。大腸憩室は一般的に筋層が欠損することが多く,また虫垂では粘膜下層剝離時に十分な視野を取ることが困難であることから,同部に存在する病変の内視鏡的治療は穿孔のリスクが高く,これまでは内視鏡切除で治癒が可能と考えられる病変に対しても外科的切除が行われてきた2)。しかし,大腸内視鏡治療の技術が進歩し,憩室や虫垂口に近接あるいはそれらのうえに存在する腫瘍にも内視鏡的切除が可能となってきた3, 4)。虫垂口にかかる病変と憩室にかかる病変は,ESDの基本strategyが同様であるため,本稿では憩室にかかる病変の切除法を中心に概要を説明する。なお当科では,虫垂口上に存在し腫瘍の虫垂側端が確認できない病変は,外科的虫垂切除後である症例に限って内視鏡的治療の適応としている。
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