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特集 症例から学ぶ大腸ESD―失敗しないためのKnacks & Tips―
[各論 大腸ESDを安全確実に行う基本ストラテジー]
《Note》トラクション法のKnacks & Tips Multi-loop traction device
Multi-loop traction device
樺 俊介
1
,
炭山 和毅
1
Shunsuke KAMBA
1
,
Kazuki SUMIYAMA
1
1東京慈恵会医科大学内視鏡医学講座
キーワード:
Multi-loop traction device
,
大腸ESD
,
トラクション法
Keyword:
Multi-loop traction device
,
大腸ESD
,
トラクション法
pp.1642-1644
発行日 2022年10月25日
Published Date 2022/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000489
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はじめに
2021年2月にBoston Scientific社から全国販売が開始されたmulti-loop traction device(MLTD)は,長さ19mm,ループ径6×4mm,線径0.3mm,重さ0.1gの直鎖状低密度ポリエチレン樹脂製の3連鎖ループ型トラクションデバイスである(図1a)1)。MLTDの一端のループを病変近傍に,他端をその対側の消化管壁に市販のクリップを用いて橋渡しするように固定し,管腔を送気拡張させることでMLTDの周囲に発生する張力を応用してトラクション効果を得るものである(図1b)。ESD中に,スコープを抜去することなく,鉗子チャンネルからthrough-the-scopeで消化管内にデリバリー可能である。また3つのうち,どのループを,どの方向で引っ張るかによって牽引距離や方向を調節可能なうえ,病変の切除後は生検鉗子などを用いてループを引きちぎって容易に回収できる。MLTDは食道から大腸まで,内視鏡で到達可能な臓器であれば部位を選ばず適用可能であるが,ほどよく狭い管腔を有する大腸では消化管壁同士の牽引がかかりやすく,特に有効である2)。
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