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特集 症例から学ぶ大腸ESD―失敗しないためのKnacks & Tips―
[各論 大腸ESDを安全確実に行う基本ストラテジー]
Water pressure method
Water pressure method
増永 哲平
1
,
加藤 元彦
1
,
矢作 直久
1
Teppei Masunaga
1
,
Motohiko Kato
1
,
Naohisa Yahagi
1
1慶應義塾大学医学部腫瘍センター低侵襲療法研究開発部門
キーワード:
早期大腸癌
,
ESD
,
Water pressure method(WPM)
Keyword:
早期大腸癌
,
ESD
,
Water pressure method(WPM)
pp.1636-1641
発行日 2022年10月25日
Published Date 2022/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000488
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はじめに
大腸のESDは2012年に保険収載され,早期大腸癌の治療法として広く普及してきている。しかしいまだその技術的難易度は高い。その理由は大きく三つあり,一つ目はその壁の薄さである。胃や食道に比べて厚みのないその筋層は,安易な通電によって簡単に穿孔してしまう。二つ目に,長い管腔臓器であるがゆえの操作性の悪さがあげられる。大腸は屈曲・蛇行しているだけでなく,S状結腸や横行結腸といった固定されていない部位をもつため,スコープ操作に難渋するケースにしばしば遭遇する。三つ目は,ストラテジー構築が複雑であることである。適切なトラクションを得るために体位変換をして重力方向をコントロールする必要があるが,体位変換は時に操作性や病変への近づきやすさ,筋層とスコープの角度を悪化させてしまう。「あちらを立てればこちらが立たず」な状況から最適な体位や剝離手順を導く能力は,一朝一夕には身につかない。
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