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特集 表在性非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍(SNADET)の内視鏡診断と治療
[治療]
各切除方法の適応とコツ Traction method:十二指腸ESDにおけるトラクション法の使用戦略とコツ
Traction method
田島 知明
1
,
村松 孝洋
1
,
石川 翼
1
,
佐野 方美
1
,
川崎 朋範
2
,
眞下 由美
1
,
良沢 昭銘
1
Tomoaki Tashima
1
,
Takahiro Muramatsu
1
,
Tsubasa Ishikawa
1
,
Masami Sano
1
,
Tomonori Kawasaki
2
,
Yumi Mashimo
1
,
Shomei Ryozawa
1
1埼玉医科大学国際医療センター消化器内科
2埼玉医科大学国際医療センター病理診断科
キーワード:
表在性非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍
,
ESD
,
トラクション法
Keyword:
表在性非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍
,
ESD
,
トラクション法
pp.800-806
発行日 2023年6月25日
Published Date 2023/6/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000776
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はじめに
近年,表在性非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍(superficial non-ampullary duodenal epithelial tumor:SNADET)に対するESDの難易度を下げ,困難を克服するためにpocket creation method(PCM)1)やwater pressure method(WPM)2)などの治療手技が考案され実施されている。これらの手技は先端細型透明フードやスコープからの送水圧によるカウンタートラクションを用いて粘膜下層を展開・伸展させることで直視下に剝離を行うため,まさにトラクション法の一種といえる。一方,トラクション法の代表格である糸付きクリップを用いたトラクション法は食道・胃・大腸ESDにおいて有用性が示され現在広く用いられている3~6)。また病変と病変対側の消化管壁を専用のデバイスを用いて固定するトラクション法も胃や大腸ESDにおいて有用性が報告されている7, 8)。ところが現状,SNADETに対するESDにおけるトラクション法の有用性に関しては少数例での検討のみである9, 10)。本稿では十二指腸ESDにおけるトラクション法の使用戦略とコツを解説する。
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