特集 消化管ポリポーシス2000
主題症例
著明な低蛋白血症を呈した胃限局性若年性ポリポーシスの1手術例
平田 敬治
1
,
杉山 朝子
1
,
日暮 愛一郎
1
,
中山 善文
1
,
岡本 好司
1
,
小西 鉄巳
1
,
永田 直幹
1
,
伊藤 英明
1
,
渡辺 秀幸
2
,
村里 嘉信
3
,
平野 芳昭
4
1産業医科大学第1外科
2産業医科大学放射線科
3産業医科大学第2内科
4ひらのクリニック
キーワード:
juvenile polyposis
,
胃限局性
,
蛋白漏出性胃腸症
Keyword:
juvenile polyposis
,
胃限局性
,
蛋白漏出性胃腸症
pp.445-450
発行日 2000年2月26日
Published Date 2000/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104828
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要旨 患者は63歳,女性.57歳時胃ポリポーシスを指摘され,その後下腿・顔面の浮腫および心囊液貯溜を認め,鉄欠乏性貧血および低蛋白血症が持続していた.今回自覚症状の増強および胃ポリポーシスの増大傾向を認め,内科的治療にも抵抗性であるため胃全摘術を施行した.摘出標本では,胃全体に無数の丈の高いポリープが密生しており,一部皺襞の肥厚も認めた.他消化管ならびに皮膚・粘膜・毛髪・爪に異常所見を認めず,病理組織検査を含め胃限局性若年性ポリポーシスと診断した.若年性ポリポーシスの胃限局型は自験例を含め本邦で16例報告されており,そのうち7例は腺癌を合併していた.一般に若年性ポリポーシスは組織学的に非腫瘍性の過形成性病変で,癌化は少ないとされていたが,本邦報告例の検討ではneoplastic potentialの存在も示唆された.
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