Japanese
English
症例報告
若年成人の皮膚筋炎—家族性大腸ポリポーシスとその癌化が見いだされた1例
Dermatomyositis in a young adult patient with familial adenomatous polyposis showing canceration
菊池 麻紀
1
,
斎藤 史緒
1
,
平田 順子
1
,
栗村 理恵
1
,
繁益 弘志
1
,
原田 敬之
1
,
加藤 博之
2
,
梶原 哲郎
2
Maki KIKUCHI
1
,
Shio SAITO
1
,
Junko HIRATA
1
,
Rie KURIMURA
1
,
Hiroshi HANYAKU
1
,
Takashi HARADA
1
,
Hiroyuki KATO
2
,
Tetsuro KAJIWARA
2
1東京女子医科大学附属第二病院皮膚科
2東京女子医科大学附属第二病院外科
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University Daini Hospital
2Department of Surgery, Tokyo Women's Medical University Daini Hospital
キーワード:
皮膚筋炎
,
癌化
,
家族性大腸ポリポーシス
,
APC遺伝子
Keyword:
皮膚筋炎
,
癌化
,
家族性大腸ポリポーシス
,
APC遺伝子
pp.880-882
発行日 2001年10月1日
Published Date 2001/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412903718
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26歳,女性.1998年5月,顔面に瘙痒性紅斑が出現したため来院.以後,皮疹は急速に増悪し,ヘリオトロープ疹,ゴットロン徴候が相次いで出現.胸・背部の広範囲に多形皮膚萎縮を呈してきた.病理組織学的には表皮の萎縮,基底層の液状変性,真皮上層の浮腫,血管周囲の炎症細胞浸潤を認めた.血液検査上,抗核抗体陽性.筋原性酵素は日ごとに上昇,皮疹出現約1か月後には筋症状が出現し,筋電図上,筋原性変化を示した.皮膚筋炎の診断のもと内臓悪性腫瘍の有無を精査したところ,大腸に無数のポリープを認め,遺伝子検索結果と合わせて家族性大腸ポリポーシスの存在が明らかとなった.皮膚筋炎症状の急速な進展に対しプレドニゾロン(PSL)60mg/日の内服を開始し,12.5mg/日まで漸減した段階で大腸切除術を施行.病理標本上,103個以上のポリープ中1個のポリープに癌化が見いだされた.
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