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特集 胃疾患アトラス 改訂版
各論
Ⅲ. 陥凹を呈する病変
1. 上皮性・非腫瘍性陥凹病変
胃サイトメガロウイルス感染症
Cytomegalovirus infection
入江 大樹
1
,
引地 拓人
2
,
小原 勝敏
3
Hiroki IRIE
1
,
Takuto HIKICHI
2
,
Katsutoshi OBARA
3
1福島県立医科大学医学部消化器内科学講座
2福島県立医科大学附属病院内視鏡診療部
3福島県保健衛生協会内視鏡センター
キーワード:
胃潰瘍
,
サイトメガロウイルス
,
免疫不全
Keyword:
胃潰瘍
,
サイトメガロウイルス
,
免疫不全
pp.200-201
発行日 2022年10月20日
Published Date 2022/10/20
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000416
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疾患の概要
サイトメガロウイルス(CMV)はヘルペスウイルス科に属する2本鎖DNAウイルスであり,出産時や幼少時に初感染後,多くの場合は不顕性感染となり,その宿主に症状を起こすことなく潜伏感染する。しかし,免疫抑制薬服用患者,癌や炎症性腸疾患患者などのcompromised hostでは,CMVの再活性化から顕在化することで,肺,消化管,肝臓,網膜,中枢神経系など多彩な臓器に障害を起こす。消化管病変では食道,胃,大腸が多く,十二指腸や空腸,回腸の病変は稀である。症状は無症候性が多いものの,嚥下困難,心窩部痛,黒色便,胸やけ,嘔気,下痢などの症状から診断に至ることもある1)。昨今では成人のCMV初感染における胃病変の報告も増えてきており,一般には無症状が多く臓器障害は少ないとされるが,compromised hostと同様に多彩な内視鏡所見を呈する。
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