Japanese
English
今月の主題 Post H. pylori時代の胃炎・胃症
症例アトラス
サイトメガロウイルス胃炎
Cytomegalovirus Gastritis
小林 広幸
1
,
遠藤 伸悟
1
,
恒吉 正澄
2
Hiroyuki Kobayashi
1
1福岡山王病院消化器内科
2福岡山王病院病理診断科
キーワード:
サイトメガロウイルス
,
胃炎
,
免疫不全
,
伝染性単核球症
,
胃梅毒
Keyword:
サイトメガロウイルス
,
胃炎
,
免疫不全
,
伝染性単核球症
,
胃梅毒
pp.28-30
発行日 2025年1月25日
Published Date 2025/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.053621800600010028
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疾患の概要
本症はサイトメガロウイルス(cytomegalovirus ; CMV)により生じ,ヒトへの感染は胎内感染による先天性のものと,産道,母乳,唾液,精液,輸血などによる後天性のものに分けられ,いったん感染すると生涯潜伏感染する1).不顕性感染に終わることが多いが,免疫不全状態などの易感染性宿主では,再活性化され全身諸臓器に病変を引き起こし,消化管の中では胃が好発臓器である2).近年では,健常成人において初感染時に発症するCMV胃炎の報告も増えている.免疫不全患者では心窩部痛,嘔気,食欲不振などの胃症状を認めるが,無症状の場合もある.一方,初感染の健常人では,発熱と異型リンパ球を伴う白血球増加と肝機能障害(いわゆる伝染性単核球症)に,心窩部痛を伴って発症することが多い1).
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