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特集 胃疾患アトラス 改訂版
各論
Ⅲ. 陥凹を呈する病変
1. 上皮性・非腫瘍性陥凹病変
胃Dieulafoy潰瘍
Dieulafoy’s ulcer
山本 章二朗
1
,
三池 忠
1
,
河上 洋
1
Shojiro YAMAMOTO
1
,
Tadashi MIIKE
1
,
Hiroshi KAWAKAMI
1
1宮崎大学医学部附属病院消化器内科
キーワード:
胃Dieulafoy潰瘍
,
内視鏡的止血術
,
露出血管
Keyword:
胃Dieulafoy潰瘍
,
内視鏡的止血術
,
露出血管
pp.194-195
発行日 2022年10月20日
Published Date 2022/10/20
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000413
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疾患の概要
Dieulafoy潰瘍はおもに胃体上部に発生するきわめて微小な粘膜下層までの浅い粘膜欠損により,粘膜から粘膜下層に存在する比較的太い動脈が露出して破綻し,大量出血をきたす疾患である1)。1898年,フランスのDieulafoyがexulceratio simplexとして報告したことにはじまる。臨床的特徴としては,潰瘍の既往がなく,無症状で突然大量の吐下血で発症し,多量の輸血を必要とすることも多い。過去の報告によると,発生頻度は上部消化管出血の0.3〜6.8%,出血性Dieulafoy潰瘍の罹病率は10万人に1.6人と2),稀である。異常血管の本態は,動脈瘤,動脈硬化なども想定されるが,先天的な走行異常が有力である。出血の機序は,異常血管の上の粘膜が血管自体の局所的要因や偶発的な潰瘍などの影響で欠損することで発症すると考えられている。
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