特集 図説 形態用語の使い方・使われ方
第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語
b.X線・内視鏡所見用語
Dieulafoy潰瘍(Dieulafoy's ulcer)
岡崎 幸紀
1
1周東総合病院内科
pp.315
発行日 1996年2月26日
Published Date 1996/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403103987
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1898年,フランスの内科医Dieulafoyにより報告された.自験例の2例を含めた7例について検討しているが,救命されたのは出血性病変を手術によって縫縮した1例のみであったという.
その特徴は,病理形態学的所見であり,①限局する極めて表在性の潰瘍性病変,②噴門部や胃体部に単発し,最大径2~3cm程度の円形ないし類円形の潰瘍性病変,③潰瘍性病変の中に血管の断裂や側壁破綻がみられるとしている.更に潰瘍性病変の病理組織所見として,①粘膜筋を含むが主として粘膜層の欠損,②粘膜筋板の消失部に細動脈の断裂や破綻がみられる,③病変部以外の粘膜は正常,と述べている.
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