特集 高齢者における消化器診療
高齢者における消化器疾患ガイドラインとその解説
胃潰瘍止血
保坂 浩子
1
,
田中 寛人
1
,
栗林 志行
1
,
浦岡 俊夫
1
1群馬大学大学院医学系研究科消化器・肝臓内科学
キーワード:
高齢者
,
胃潰瘍
,
内視鏡的止血術
Keyword:
高齢者
,
胃潰瘍
,
内視鏡的止血術
pp.815-818
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_815
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Summary
▪本邦での消化性潰瘍の有病率は減少しているが,好発年齢は高齢化がみられる.
▪高齢者消化性潰瘍患者では生理機能の低下,併存疾患や常用薬剤が多いことが問題となる.
▪出血時の予備能力が低いことから,輸血に関しても非高齢者に比べて柔軟な対応が必要である.
▪血栓塞栓症の高発症群では,抗血小板薬は休薬しないこと,抗凝固薬についても止血のために必要があれば休薬するがなるべく早期に再開することが望ましい.
▪出血性胃潰瘍が疑われた場合には,高齢者においても内視鏡による観察,および必要があれば内視鏡的止血術が推奨される.
▪高齢者胃潰瘍においては血餅付着例(Forrest分類Ⅱb)病変についても内視鏡的止血術を弱く推奨する.
© Nankodo Co., Ltd., 2021