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特集 大腸鋸歯状病変のすべて
[各論 治療]
大腸鋸歯状病変の切除方法とコツ
How to resect colorectal serrated lesions?
根本 大樹
1
,
中島 勇貴
1
,
愛澤 正人
1
,
鈴木 康平
1
,
歌野 健一
1
,
冨樫 一智
1
Daiki Nemoto
1
,
Yuki Nakajima
1
,
Masato Aizawa
1
,
Kohei Suzuki
1
,
Kenichi Utano
1
,
Kazutomo Togashi
1
1福島県立医科大学会津医療センター小腸・大腸・肛門科学講座
キーワード:
大腸鋸歯状病変
,
非焼灼切除
,
浸水下切除
Keyword:
大腸鋸歯状病変
,
非焼灼切除
,
浸水下切除
pp.987-993
発行日 2022年5月25日
Published Date 2022/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000211
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はじめに
本邦の『大腸ポリープ診療ガイドライン2020 改訂第2版』では,治療適応となる大腸鋸歯状病変は,sessile serrated lesion(SSL),sessile serrated lesion with dysplasia(SSLD),traditional serrated adenoma(TSA)であり,径5mm以下のhyperplastic polyp(HP)の治療適応はないと記されている1)。しかしSSLの病理組織学的および遺伝学的特徴は,HPの大多数を占めるmicrovesicular hyperplastic polyp(MVHP)に酷似している。MVHPは右側結腸におけるSSLの前駆病変であることに異論を唱える人は少ない。一方,左側結腸におけるserrated pathwayにはおもにTSAが関与している。最近の報告では,大腸鋸歯状病変の新たな亜型としてsuperficially serrated adenoma(SuSA)が提唱され,TSAの前駆病変の一つであることが示されている2)。TSAが併存するSuSAの内視鏡診断は容易であるが,TSA成分のないSuSAはHPとの鑑別が困難である。このように,鋸歯状病変の内視鏡的鑑別は困難であるため,日常診療では病変の大きさと局在部位にもとづいて治療適応が決定されることが多く,現状では切除適応基準や切除法は術者や施設により異なっている。
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