Japanese
English
今月の主題 大腸鋸歯状病変の発育進展と診断・取り扱い
主題
大腸鋸歯状病変の臨床的取り扱い―私はこう考える
Clinical Treatment of Colorectal Serrated Adenoma: My View
渡邊 真
1
,
平田 一郎
1
Makoto Watanabe
1
1藤田保健衛生大学医学部消化管内科
キーワード:
大腸鋸歯状病変
,
serrated adenoma
,
表面型
,
hyperplastic polyp
Keyword:
大腸鋸歯状病変
,
serrated adenoma
,
表面型
,
hyperplastic polyp
pp.323-325
発行日 2007年3月25日
Published Date 2007/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403100971
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LongacreとFenoglio-Priserによりserrated adenoma(SA)の概念が提唱され1),一般的になった.しかし,SAの病理組織診断には病理医間で差異があり2),臨床的な取り扱いも必ずしも統一されていないのが現状であると思われる.
また,最近はserrated polyp3)としてhyperplastic polyp(HP)を含む鋸歯状腺管構造を呈する病変を総括したり,large hyperplastic polyp4)などの用語も使われている.SAが注目されてきた背景にはmalignant potentialがあり,病巣内に癌を伴う病変があることである1).また同じ鋸歯状の腺管構造を呈し,SAの鑑別対象となるHPについても,遺伝子の検討によりHPからSAへ発育する可能性が指摘され5),HP-SA-cancer sequenceとの考え方もある.平坦な過形成性ポリープの中に,周囲にSAを伴う癌が存在する症例6)を見ると,このHP→SA→cancerのsequenceが実感される.しかし,従来より小さな病変におけるHP,SAの診断は困難なことが多く7),腺腫(tubular adenoma;TA)でも5mm以下の病変は経過観察とする日常診療において,SA,HPをどのように取り扱うかは意見が分かれると思われる.
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