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特集 内視鏡データリファレンスブック2022
【臓器別】
胆道・膵臓
膵仮性囊胞・WONに対する内視鏡治療
Endotherapy for pancreatic fluid collections
中井 陽介
1,2
,
斎藤 友隆
1
,
濱田 毅
1
,
木暮 宏史
1
,
藤城 光弘
1
Yousuke NAKAI
1,2
,
Tomotaka SAITO
1
,
Tsuyoshi HAMADA
1
,
Hirofumi KOGURE
1
,
Kazuhiko KOIKE
1
1東京大学医学部附属病院光学医療診療部消化器内科
2東京大学医学部消化器内科
キーワード:
膵仮性囊胞
,
膵被包化壊死
,
EUS
Keyword:
膵仮性囊胞
,
膵被包化壊死
,
EUS
pp.829-833
発行日 2022年4月25日
Published Date 2022/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000181
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Ⅰ 膵仮性囊胞・walled-off necrosisに対するアプローチ
急性膵炎後局所合併症である膵仮性囊胞とwalled-off necrosis(WON)は,改訂アトランタ分類1)(図1)に示されるように,急性膵炎発症後4週以上経過し,被包化された急性膵周囲液体貯留(pancreatic fluid collection:PFC)を指す。このPFCのうち有症状例で,保存的治療に反応がない場合にはインターベンションが行われる。PFCに対するEUSを用いたインターベンションは,1992年Grimmら2)が膵仮性囊胞に対して,1996年Baronら3)がWONに対して報告して以来,現在では第一選択として用いられることが多くなっている。治療方針としては,膵仮性囊胞ではドレナージのみで改善することが多いが,WONではドレナージのみでは改善せずネクロセクトミーが必要となることも多い。PFCでは臓器不全を合併している症例もあり,従来行われてきた外科的治療から低侵襲な治療に対する反応性をみながら行うstep-up approach4)が標準的な治療法となっている(図2)。
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