Japanese
English
臨床報告
囊胞内出血にて発症した脾内進展膵仮性囊胞の1例
Intrasplenic pancreatic pseudocyst with intracystic hemorrhage:a case report
田中 匡実
1
,
岸本 浩史
1
,
木村 都旭
1
,
小田切 範晃
1
,
笹原 孝太郎
1
,
田内 克典
1
Masami TANAKA
1
1社会医療法人財団慈泉会 相澤病院外科
キーワード:
膵仮性囊胞
,
脾囊胞
,
慢性膵炎
Keyword:
膵仮性囊胞
,
脾囊胞
,
慢性膵炎
pp.529-532
発行日 2011年4月20日
Published Date 2011/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103524
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要旨
症例は50歳台,男性.38年間,毎日3合の飲酒歴があり,ここ数年来,左季肋部痛を認めていたが,膵炎を含め治療歴はなかった.急激な左季肋部痛を主訴に来院し,腹部CTにて膵尾部から脾の囊胞性病変と囊胞内出血の所見を認め,囊胞内出血を伴う脾内に進展した膵仮性囊胞の診断で入院となった.保存的治療を行ったが,入院1週間後の腹部CTで囊胞の増大を認めたため手術適応と判断し,膵体尾部切除術,脾摘出術を施行した.脾囊胞内には85mlの血性囊胞液を認め,囊胞内容液のアミラーゼ値は41,342IU/lであった.囊胞内出血により急性腹症として発症する脾内進展膵仮性囊胞はきわめて稀であり,報告する.
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