慢性膵炎（膵石・膵管狭窄）に対する内視鏡治療

Endoscopic treatment for chronic pancreatitis（pancreatolithiasis, pancreatic duct stenosis）

はじめに

　慢性膵炎は膵の持続する炎症と線維化が進行し，最終的に膵が荒廃する疾患である。また，膵石に伴う主膵管狭窄を認めることが多く，膵液のうっ滞による膵管内圧の上昇などにより，持続的な疼痛や急性膵炎・膵仮性囊胞の原因となる。このような症例では膵管の減圧によって症状の改善を認めることが多く，内視鏡的膵管口切開術（endoscopic pancreatic sphincterotomy：EPST），体外衝撃波結石破砕術（extracorporeal shockwave lithotripsy：ESWL），内視鏡的結石除去術（endoscopic lithotomy：EL），内視鏡的膵管ステント留置術（endoscopic pancreatic stenting：EPS）などの手技を組み合わせることで内視鏡的な治療が行え，有用である。本稿では膵石・膵管狭窄に対する内視鏡治療について述べる。