特集 膵疾患に対する内視鏡診療のすべて
膵疾患に対する内視鏡治療 内視鏡的膵石治療の現状
宅間 健介
1
,
岡野 直樹
,
水谷 沙織
,
中川 皓貴
,
渡辺 浩二
,
木村 祐介
,
岩崎 将
,
伊藤 謙
,
五十嵐 良典
1東邦大学医療センター大森病院 消化器内科
キーワード:
鉗子
,
病的狭窄
,
減圧
,
砕石術
,
膵管
,
膵炎
,
挿管法
,
胆膵管膨大部
,
バルーン拡張法
,
膵石
,
膵炎-慢性
,
結石摘出術
,
膵管鏡法
,
ワイヤー
Keyword:
Ampulla of Vater
,
Lithotripsy
,
Constriction, Pathologic
,
Decompression
,
Pancreatitis
,
Pancreatic Ducts
,
Intubation
,
Pancreatitis, Chronic
pp.1427-1435
発行日 2021年9月25日
Published Date 2021/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2021368618
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慢性膵炎は、慢性的な炎症の持続が病態進行の原因となり、膵内分泌機能不全・外分泌不全を招く進行性の難治性疾患である。主膵管の狭窄や結石により膵管が閉塞することで膵管内圧の上昇をきたし、疼痛や慢性的な炎症の原因となるため膵石に対する治療は重要である。内視鏡的膵石治療では、主膵管または副膵管内に膵石が存在し疼痛を訴える症例は治療のよい適応であり、膵管内の減圧による症状改善を図る。内視鏡的膵管口切開術、主膵管狭窄部拡張術、膵管ステント留置術や体外衝撃波結石破砕術、内視鏡的膵石除去術などを組み合わせることで個々の病態にあわせた治療を行える。一期的に治療できない場合は長期的な治療が必要となり、重篤な偶発症や内科的治療難渋例も認め、常に外科治療への移行も考慮する必要がある。本稿では慢性膵炎膵石症に対する内視鏡治療について述べる。
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