特集 膵疾患に対する内視鏡診療のすべて
膵疾患に対する内視鏡診断 膵癌診断における経乳頭的病理学的診断
栗原 啓介
1
,
花田 敬士
,
清水 晃典
,
池田 守登
,
奥田 康博
,
山本 卓哉
,
佐々木 健司
,
神田 真槻
,
中嶋 愛海
,
米原 修治
,
田妻 進
1JA広島厚生連尾道総合病院 消化器内科
キーワード:
カテーテル法
,
細胞診
,
膵液
,
膵管
,
膵臓腫瘍
,
生検
,
内視鏡的逆行性胆道膵管造影
,
黄疸-閉塞性
,
腫瘍の早期診断
,
超音波内視鏡下穿刺吸引法
,
内視鏡的胆道ドレナージ
,
内視鏡的経鼻的膵管ドレナージ
,
病診連携
,
ワイヤー
Keyword:
Biopsy
,
Catheterization
,
Cholangiopancreatography, Endoscopic Retrograde
,
Cytodiagnosis
,
Pancreatic Ducts
,
Pancreatic Juice
,
Pancreatic Neoplasms
,
Endoscopic Ultrasound-Guided Fine Needle Aspiration
,
Jaundice, Obstructive
,
Early Detection of Cancer
pp.1379-1385
発行日 2021年9月25日
Published Date 2021/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2021368610
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近年、画像検査の精度向上により膵癌が発見される機会が増えており、腫瘤を伴う病変に対してはEUS-FNAが診断において良好な成績を収めている。その一方で膵癌の予後はいまだに不良であり、膵癌の予後改善にはより早期に診断される必要がある。早期の膵癌は腫瘤を伴わない膵管狭窄として描出されることが多く、診断において膵液細胞診が有用である。また近年はEUS-FNAの偶発症としてneedle-tract seedingの報告もみられ、手術可能な膵体尾部病変においても膵液細胞診が見直されている。膵液細胞診においては、より精度の高い検体を採取するために膵管擦過診や内視鏡的経鼻膵管ドレナージ留置下の複数回膵液細胞診などが工夫されている。いずれの場合もERCP後膵炎のリスクを念頭におき、CT、MRI、EUSなどの画像診断のうえで患者と家族に十分な説明を行い、同意が得られたあとに施行する必要がある。
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