特集 膵疾患に対する内視鏡診療のすべて
総論 EUSによる膵疾患の診断と治療
安田 一朗
1
,
花岡 辰行
,
松野 潤
,
中村 佳史
,
井上 祐真
,
林 伸彦
,
梶浦 新也
,
安藤 孝将
,
藤浪 斗
,
田尻 和人
1富山大学 学術研究部医学系内科学第三講座
キーワード:
自律神経ブロック
,
膵偽囊胞
,
膵臓疾患
,
膵臓腫瘍
,
ステント
,
デブリードマン
,
腹腔神経叢
,
アルゴリズム
,
インターベンショナル超音波診断
,
超音波内視鏡検査
,
超音波内視鏡下穿刺吸引法
,
内視鏡的経鼻的膵管ドレナージ
,
Walled-Off Necrosis
Keyword:
Endosonography
,
Autonomic Nerve Block
,
Stents
,
Celiac Plexus
,
Debridement
,
Algorithms
,
Ultrasonography, Interventional
,
Pancreatic Diseases
,
Pancreatic Neoplasms
,
Pancreatic Pseudocyst
,
Endoscopic Ultrasound-Guided Fine Needle Aspiration
pp.1371-1378
発行日 2021年9月25日
Published Date 2021/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2021368609
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EUSは現在膵疾患診断において不可欠な画像検査となっており、膵腫瘤や囊胞の鑑別診断、膵管内乳粘液性腫瘍の治療方針決定、膵癌の早期診断・病期診断などに利用されている。さらに最近では造影ハーモニック法やエラストグラフィーといった付加機能も加わり、血流動態や組織学的特性、機能評価などを見据えた新たな可能性に期待がかかる。EUS-FNAについては、新規の穿刺針の開発により組織採取が格段に容易となっているが、今後は単なる病理診断にとどまらず、ゲノム医療のなかで果たすべき役割が検討されていくものと考えられる。治療手技については、膵仮性囊胞や被包化膵壊死(WON)に対する有用性はすでに確立しているが、今後は膵管ドレナージや腹腔神経叢ブロックなどの手技も含めて、専用のデバイス開発が急務であり、こうした治療手技がより安全かつ効果的に、効率よく行えるようになることと、抗腫瘍療法など新たな治療手技の開発が期待される。
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