特集 膵疾患に対する内視鏡診療のすべて
総論 ERCPによる膵疾患の診断と治療
岡部 義信
1
,
牛島 知之
,
島松 裕
,
平井 真吾
,
寺部 寛哉
,
佐々木 優
,
榊原 重成
,
菅 偉哉
,
鳥村 拓司
1久留米大学 医学部内科学講座消化器内科部門
キーワード:
膵偽囊胞
,
膵炎
,
膵臓疾患
,
膵臓腫瘍
,
内視鏡的逆行性胆道膵管造影
,
膵石
,
膵炎-慢性
,
管腔内超音波診断
,
膵管鏡法
,
膵管内腫瘍
,
ワイヤー
,
膵炎-自己免疫性
Keyword:
Cholangiopancreatography, Endoscopic Retrograde
,
Pancreatic Intraductal Neoplasms
,
Autoimmune Pancreatitis
,
Pancreatitis
,
Pancreatic Diseases
,
Pancreatic Neoplasms
,
Pancreatic Pseudocyst
,
Pancreatitis, Chronic
pp.1364-1370
発行日 2021年9月25日
Published Date 2021/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2021368608
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膵疾患に対するERCPは、診断的膵管造影が臨床応用されてから約50年、治療に応用されてからは約36年が経過した。一方、近年のCTやMRI、EUSなどの膵画像診断精度の向上や、interventional EUSの登場、ERCP後膵炎の問題などを背景に、診断を目的としたERCP件数は開発当初に比し減少している。しかし、膵癌との鑑別を要する炎症性病変、上皮内癌や微小膵癌の診断には直接膵管造影が有用で、付随して行われる病理組織・細胞学的検査や管腔内超音波あるいは経口膵管鏡がしばしば有用な症例は存在する。また、治療的ERCPの対象となる慢性膵炎や膵石の治療も行われている。本稿では本邦の膵疾患に関連したガイドラインを参考に、膵疾患に対するERCPの位置づけと膵管造影における注意点について総説する。
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