特集 緊急内視鏡の今
緊急内視鏡における周術期マネージメント
後藤 修
1
,
土生 亜美
,
河野 惟道
,
小泉 英里子
,
樋口 和寿
,
恩田 毅
,
大森 順
,
大城 雄
,
貝瀬 満
,
岩切 勝彦
1日本医科大学付属病院消化器・肝臓内科
キーワード:
術後管理
,
術中モニタリング
,
消化器疾患
,
術前評価
,
抗血栓剤
,
消化器系内視鏡法
,
リスク
,
救急治療
,
精神鎮静法
,
周術期管理
Keyword:
Perioperative Care
,
Digestive System Diseases
,
Fibrinolytic Agents
,
Risk
,
Monitoring, Intraoperative
,
Endoscopy, Digestive System
,
Postoperative Care
,
Emergency Treatment
pp.671-678
発行日 2021年4月25日
Published Date 2021/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2021299144
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緊急内視鏡は、通常の内視鏡とは異なり「急性症状の改善を目的とした内視鏡検査および治療」と定義されている。対象はすでに症状を有し、時に重篤化しつつある。あるいはすでに重篤な症状を呈している患者となることから、その周術期管理もより厳格に行う必要がある。適応について迅速かつ十分に検討し、遅滞なく内視鏡の準備とスタッフの確保を行ったうえで、厳重なモニタリングのもと内視鏡を行う。診断を行いつつ処置の適応と方法を決定し、すかさず適切な処置へと移行する。目的が達成できた時点でただちに検査を終了し、慎重に術後管理を行う。特に高齢者、重篤な併存疾患を有する患者、抗血栓薬服用者はハイリスクと考えられるため、医療安全を考慮しつつ、個々の症例の状態に応じて安全性を最優先とした処置を心がける。緊急内視鏡は低侵襲できわめて効果的なアウトカムを生むことができる手段であることから、今後もそのニーズはますます高くなると予想される。内視鏡医として緊急内視鏡の性質を十分に理解し、その手技に習熟しておくことが肝要である。
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