特集 明日の診療に役立つ 消化器内視鏡これ1冊
抗血栓薬服用患者に対する内視鏡診療
阿部 寛子
1
,
八田 和久
,
正宗 淳
1東北大学 大学院医学系研究科消化器病態学分野
キーワード:
プロトロンビン時間
,
胃鏡法
,
血栓塞栓症
,
抗凝固剤
,
生検
,
抗血栓剤
,
消化器系内視鏡法
,
血小板凝集阻害剤
,
出血-術後
,
診療ガイドライン
,
リスク評価
,
国際標準化比
,
周術期管理
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
Keyword:
Perioperative Care
,
International Normalized Ratio
,
Anticoagulants
,
Biopsy
,
Fibrinolytic Agents
,
Endoscopic Mucosal Resection
,
Gastroscopy
,
Prothrombin Time
,
Risk Assessment
,
Endoscopy, Digestive System
,
Postoperative Hemorrhage
,
Practice Guidelines as Topic
,
Platelet Aggregation Inhibitors
,
Thromboembolism
pp.13-17
発行日 2022年3月25日
Published Date 2022/3/25
DOI https://doi.org/10.34433/J00697.2022140957
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1.生検・出血低危険度内視鏡に関しては、抗血栓薬単剤服用患者に対して抗血栓薬継続下(ワルファリンではPT-INR≦3.0)で施行可能である。2.血栓塞栓症リスクが高い抗血小板薬単剤服用患者に対する出血高危険度内視鏡では、抗血小板薬継続下(チエノピリジン誘導体はアスピリン/シロスタゾール置換)に施行可能である。3.血栓塞栓症リスクが高い抗凝固薬単剤服用患者に対する出血高危険度内視鏡では、ワルファリンは継続あるいは非弁膜症性心房細動では直接経口抗凝固薬(DOAC)への変更が、DOACでは当日休薬で施行することが考慮される。4.胃内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)後出血予測モデルとしてBEST-J scoreが開発され、無料アプリも開発された。5.血栓塞栓症リスクを考慮すると、抗血栓薬単剤服用患者における胃ESD周術期管理としては可能な限り抗血栓薬継続が望ましく、出血予防としてボノプラザン≧20mg/日の投与を考慮すべきである。
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