特集 緊急内視鏡の今
小児に対する緊急内視鏡
中山 佳子
1
1信州大学 医学部小児医学教室
キーワード:
下血
,
大腸疾患
,
食道胃静脈瘤
,
鑑別診断
,
腸重積症
,
腸ポリープ
,
吐血
,
消化管内視鏡法
,
破裂-自然
,
救急治療
,
内視鏡的止血
,
緊急検査
,
異物誤飲
,
小腸疾患
,
内視鏡的食道胃静脈瘤結紮術
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Intussusception
,
Melena
,
Esophageal and Gastric Varices
,
Hematemesis
,
Rupture, Spontaneous
,
Endoscopy, Gastrointestinal
,
Hemostasis, Endoscopic
,
Intestinal Polyps
,
Emergency Treatment
pp.679-686
発行日 2021年4月25日
Published Date 2021/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2021299145
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小児の緊急内視鏡のおもな適応は、活動性消化管出血と異物誤飲である。吐血・下血のある小児への緊急内視鏡は、出血源の同定と内視鏡的止血術を目的として行われる。小児においても静脈瘤性出血と非静脈瘤性出血があり、いずれも救命処置として緊急内視鏡を必要とする重篤な病態である。上部消化管の異物は、保存的に観察できる場合と緊急内視鏡が必要な場合とがある。食道に滞留した異物は基本的に緊急対応を要する。とりわけコイン型リチウム電池では早期から粘膜傷害が発生するため、2時間以内の摘出を要する。乳児や幼児では細い機器を選択しなければならない。緊急内視鏡は、胃内容物の誤嚥、不安定な呼吸循環動態、穿孔などの有害事象のリスクが高くなる。重症例では気道の確保、呼吸循環の管理、体動がないという利点から全身麻酔が望ましい。
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