手術症例報告
残胃温存有茎空腸皮下ダブルトラクト再建を施行した食道癌の1例
中原 裕次郎
1
,
山崎 誠
,
土岐 祐一郎
1大阪大学 大学院消化器外科学
キーワード:
胃腫瘍
,
胃切除
,
開胸術
,
術後合併症
,
食道鏡法
,
食道形成術
,
食道腫瘍
,
X線CT
,
扁平上皮癌
,
リンパ節郭清
,
腫瘍-第二原発
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
食道空腸吻合術
,
陽電子放射型断層撮影
,
マルチモーダルイメージング
,
胃空腸吻合術
Keyword:
Carcinoma, Squamous Cell
,
Esophageal Neoplasms
,
Esophagoplasty
,
Esophagoscopy
,
Gastrectomy
,
Gastroenterostomy
,
Lymph Node Excision
,
Postoperative Complications
,
Stomach Neoplasms
,
Thoracotomy
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Neoplasms, Second Primary
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
Positron-Emission Tomography
,
Multimodal Imaging
pp.683-686
発行日 2016年4月15日
Published Date 2016/4/15
DOI https://doi.org/10.18888/J00620.2016226294
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67歳男。5年前に早期胃癌に対し腹腔鏡補助下幽門側胃切除、D1+β郭清、Billroth-I法再建術を受けていた。術後5年に上部消化管内視鏡で切歯34cm、6時方向に1/3周性の隆起性病変を認め、生検でsquamous cell carcinomaの診断を得た。胸部中部食道癌と診断し、術前化学療法としてDCF療法(Docetaxel、Cisplatin、5-FU)を施行した。部分奏効を確認した後、右開胸食道亜全摘、3領域リンパ節郭清、有茎空腸皮下経路による残胃温存ダブルトラクト再建、マイクロ血管吻合(第2空腸動静脈-右内胸動静脈)を施行した。病理診断は高分化扁平上皮癌、pT2N3、M0、pStage IIICで、化学療法の効果判定はGrade 1bであった。術後24日から食事を開始し、術後39日に退院となった。退院時は全粥食で半分程度摂取でき、ダンピング症状もなかった。術後8ヵ月の現在、再発を認めていない。また術前と同様量の食事摂取が可能で、体重も回復している。
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