特集 胃癌診断を極める
A型胃炎(自己免疫性胃炎)胃粘膜に生じる胃腫瘍の内視鏡診断 A型胃炎およびA型胃炎に生じる胃腫瘍性病変
八板 弘樹
1
,
蔵原 晃一
,
大城 由美
,
浦岡 尚平
,
池上 幸治
,
平田 敬
,
清森 亮祐
,
末永 文彦
,
和智 博信
,
村田 征喜
1松山赤十字病院 胃腸センター
キーワード:
胃鏡法
,
胃腫瘍
,
神経内分泌腫瘍
,
胃炎-萎縮性-自己免疫性
Keyword:
Stomach Neoplasms
,
Gastroscopy
,
Neuroendocrine Tumors
pp.129-133
発行日 2020年1月25日
Published Date 2020/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020257087
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A型胃炎は胃底腺の壁細胞に引き続き主細胞が破壊され、胃底腺領域の選択的萎縮をきたす自己免疫性疾患である。壁細胞が破壊されることで無酸症となり、悪性貧血や鉄欠乏性貧血をきたす。また、自己免疫性多内分泌腺症候群3Bに分類され、自己免疫性甲状腺疾患や1型糖尿病を高率に合併する。そして、高ガストリン血症に伴い胃神経内分泌腫瘍(NET)が発生し、高度の萎縮性胃炎のために胃癌発生の高リスク群となる。その特徴的な内視鏡所見は胃体部優位の高度萎縮、いわゆる逆萎縮であるが、診断は必ずしも容易ではない。悪性貧血、自己免疫性甲状腺疾患、1型糖尿病などの臨床的特徴に加え、固着粘液、WGA、胃過形成性ポリープ、残存胃底腺粘膜などの内視鏡像に着目することでA型胃炎を拾い上げ、胃癌や胃NETの早期診断、早期治療を行うことが重要である。
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