特集 胃癌診断を極める
H.pylori未感染胃粘膜に生じる胃癌の内視鏡診断 胃底腺型胃癌
上山 浩也
1
,
八尾 隆史
,
鈴木 信之
,
沖 翔太朗
,
谷田貝 昴
,
赤澤 陽一
,
松本 紘平
,
松本 健史
,
北條 麻理子
,
永原 章仁
1順天堂大学 医学部消化器内科
キーワード:
ヘリコバクター感染症
,
Helicobacter pylori
,
胃鏡法
,
胃腫瘍
,
胃粘膜
,
腺癌
,
粘液性腺癌
,
免疫組織化学
Keyword:
Adenocarcinoma, Mucinous
,
Immunohistochemistry
,
Stomach Neoplasms
,
Gastric Mucosa
,
Gastroscopy
,
Adenocarcinoma
,
Helicobacter pylori
,
Helicobacter Infections
pp.88-93
発行日 2020年1月25日
Published Date 2020/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020257080
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2010年に筆者らが提唱した胃底腺型胃癌(gastric adenocarcinoma of fundic gland type)は、胃癌取扱い規約第15版では胃底腺型腺癌という名称で特殊型胃癌の一つとして新たに追加された低異型度・低悪性度の胃腫瘍である。さらに2019年にはWHO分類第5版でもoxyntic gland andenomaとgastric adenocarcinoma of fundic-gland typeという名称で新たに掲載された。胃底腺型腺癌はH.pylori未感染胃癌の一つであり通常型分化型胃癌とは異なる発癌機序が予想され、今後も注目されるべき特殊な分化型胃癌である。また、明確な臨床病理学的特徴、内視鏡的特徴を有しており、疾患概念の普及に伴い国内外の報告は今後さらに増えることが予想される。胃底腺型胃癌は病理組織学的に胃底腺型腺癌と胃底腺粘膜型腺癌に分類され、おのおのの特徴が明らかになってきている。今後は詳細な分類作成、発癌機序や発育進展形式の解明、予後の解析が課題であり、胃底腺型胃癌の病態解明と臨床的な取り扱いを確立する必要がある。
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