特集 胃癌診断を極める
[総論]背景胃粘膜・癌組織型に応じた早期胃癌内視鏡診断の基本
貝瀬 満
1
,
小泉 英里子
,
野田 啓人
,
樋口 和寿
,
後藤 修
,
岩切 勝彦
1日本医科大学 消化器内科学
キーワード:
カルチノイド腫瘍
,
ヘリコバクター感染症
,
Helicobacter pylori
,
胃鏡法
,
胃腫瘍
,
胃粘膜
,
鑑別診断
,
腺癌
,
印環細胞癌
,
未分化癌
,
腫瘍の早期診断
,
除菌療法
,
発癌
Keyword:
Carcinoma
,
Carcinoid Tumor
,
Diagnosis, Differential
,
Stomach Neoplasms
,
Gastric Mucosa
,
Gastroscopy
,
Adenocarcinoma
,
Helicobacter pylori
,
Helicobacter Infections
,
Carcinoma, Signet Ring Cell
,
Carcinogenesis
,
Early Detection of Cancer
pp.25-40
発行日 2020年1月25日
Published Date 2020/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020257071
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多彩な背景胃粘膜に生ずる胃癌は多様性に富み、適切な内視鏡診断をするためには背景粘膜と組織型・肉眼型の関係を理解する必要がある。Helicobacter pylori未感染胃癌は7つの類型がある。すなわち、(1)胃体部~穹窿部胃底腺粘膜に生じる4つの類型である。(a)扁平隆起様腺窩上皮型胃癌、(b)ラズベリー様腺窩上皮型胃癌、(c)胃底腺型胃癌、(d)胃カルチノイドと、(2)幽門腺境界近傍の胃底腺粘膜に生じる(e)純系印環細胞癌、さらに(3)幽門輪近傍の胃幽門腺に生じる(f)高分化型管状腺癌、(4)食道胃接合部粘膜に生じる(g)噴門部癌の7つである。Helicobacter pylori関連胃癌(現感染・既感染胃癌)は腸上皮化生粘膜に生じる分化型腺癌と胃底腺領域に生じる未分化型腺癌が基本である。既感染胃癌では隆起型が減少し、陥凹が浅く、全般に平坦化する。(1)同色調で平坦な分化型腺癌、(2)地図状発赤・斑状発赤に類似する分化型腺癌、といった周囲粘膜との相違が乏しい類型があり、除菌後の内視鏡では留意を要する。
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