特集 胃癌診断を極める
H.pylori未感染胃粘膜に生じる胃癌の内視鏡診断 H.pylori未感染胃粘膜に生じる白色調隆起を呈する腺窩上皮型胃癌
田中 匡実
1
,
中山 敦仁
,
菊池 大輔
,
野村 浩介
,
落合 頼業
,
山下 聡
,
松井 啓
,
藤井 丈士
,
布袋屋 修
,
大倉 康男
1国家公務員共済組合連合会虎の門病院 消化器内科
キーワード:
ヘリコバクター感染症
,
Helicobacter pylori
,
胃鏡法
,
胃腫瘍
,
胃粘膜
,
上皮
,
免疫組織化学
,
発癌
Keyword:
Epithelium
,
Immunohistochemistry
,
Stomach Neoplasms
,
Gastric Mucosa
,
Gastroscopy
,
Helicobacter pylori
,
Helicobacter Infections
,
Carcinogenesis
pp.94-96
発行日 2020年1月25日
Published Date 2020/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020257081
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H.pylori未感染の胃でも、稀に胃癌が発生することが報告されている。体部~穹窿部にかけて、特に大彎側に位置することの多い白色調の扁平隆起性病変もH.pylori未感染の胃で発生する癌の一つであり、肉眼的に大腸の側方発育型腫瘍のような所見を呈していることが特徴である。九嶋の分類によるとこのような病変は腺窩上皮型腫瘍とされ、組織学的には、既存の腺窩上皮あるいは腺窩上皮過形成に類似する高円柱上皮が樹枝状・乳頭状に増生する。免疫染色では、腺窩上皮型ムチンであるMUC5AC染色で陽性を示すことが特徴である。診断に関しては特徴的な内視鏡所見であるためそれほど難しくはなく、治療に関しては早期癌で発見されることが多いため、ほとんどの症例で内視鏡での一括切除が可能である。
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