特集 臨床医に必要な対策型胃内視鏡検診の知識
精度管理向上に向けた水戸市の取り組み
齋藤 洋子
1
,
石田 理
,
笠野 哲夫
,
神長 憲宏
,
清水 芳政
,
鈴木 卓爾
,
上甲 宏
,
富田 慎二
,
仁平 武
,
松本 尚志
1茨城県メディカルセンター
キーワード:
ヘリコバクター感染症
,
Helicobacter pylori
,
胃鏡法
,
胃腫瘍
,
集団検診
,
生検
,
リスク評価
,
精度管理
,
精密検査
,
水戸市
Keyword:
Biopsy
,
Stomach Neoplasms
,
Mass Screening
,
Gastroscopy
,
Risk Assessment
,
Helicobacter pylori
,
Helicobacter Infections
pp.1849-1856
発行日 2019年12月25日
Published Date 2019/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020105051
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水戸市では2011年から血清による胃がんリスク層別化検査(ABC法)を併用し、全例ダブルチェック下で胃内視鏡検診を開始した。一次検診医療機関は一定の条件下の手上げ方式である。内視鏡検診基本画像は、胃32部位を含む最少40枚とし、2013年からはHelicobacter pylori感染関連の背景粘膜診断も同時に行っている。フィードバックを通じ、がん発見率は維持しながら、2011年に22%であった組織生検率は2018年には8%に低下し、また背景胃粘膜が判断されず未記載の割合は、2013年は52%であったが2016年には1%となった。外来診療の内視鏡検査においては、診断能すべてが検査医の裁量に委ねられている。対策型胃内視鏡検診は、対象とする集団に対し胃がん死亡減少を目的とした公共的な施策として実施されるので、地域住民に不利益がないように、診断能の均一化が求められる。この作業が精度管理体制の構築に他ならない。
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