特集 臨床医に必要な対策型胃内視鏡検診の知識
対策型胃がん検診における胃内視鏡検査の導入とH.pylori除菌・胃がん減少時代の胃がん検診
加藤 勝章
1
,
千葉 隆士
,
只野 敏浩
,
深尾 彰
,
渋谷 大助
1宮城県対がん協会がん検診センター
キーワード:
ヘリコバクター感染症
,
Helicobacter pylori
,
胃鏡法
,
胃腫瘍
,
抗細菌剤
,
集団検診
,
多剤併用療法
,
リスク評価
,
除菌療法
Keyword:
Anti-Bacterial Agents
,
Drug Therapy, Combination
,
Stomach Neoplasms
,
Mass Screening
,
Gastroscopy
,
Risk Assessment
,
Helicobacter pylori
,
Helicobacter Infections
pp.1749-1755
発行日 2019年12月25日
Published Date 2019/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020105033
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2016年2月の厚生労働省指針の改定により、胃内視鏡検査も対策型胃がん検診として実施可能になった。対策型検診の質を担保するには厳格な精度管理が求められており、専門外の医師も多数参加する胃内視鏡検診では、読影委員会による検診画像のダブルチェックが必須の要件となっている。胃内視鏡検診ではマンパワー不足が大きな課題となっており、その普及の大きな足かせとなっている。胃がんの確実なリスク因子であるH.pylori感染者が減少し、H.pylori未感染者や除菌後例が増加するなど、胃がん検診の対象集団におけるリスク構成比も大きく変わりつつあり、従来のように一定年齢以上の住民を一律に検診対象とするのは次第に非効率的になってきている。個別の胃がん罹患リスクを評価し低リスク者の検診間隔を延長するなどの、個別リスクにもとづいた適正な検診提供体制の構築が求められている。
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