特集 臨床医に必要な対策型胃内視鏡検診の知識
山間部を含む地域における対策型胃内視鏡検診の導入 長野県須高地区における試み
赤松 泰次
1
,
下平 和久
,
宮島 正行
,
中村 真一郎
,
植原 啓之
,
木畑 穣
,
松澤 正浩
,
北村 静信
,
金児 泰明
,
立岩 信之
,
下鳥 正博
1長野県立病院機構長野県立信州医療センター 消化器内科
キーワード:
胃鏡法
,
胃腫瘍
,
集団検診
,
へき地医療
,
長野県
Keyword:
Stomach Neoplasms
,
Mass Screening
,
Medically Underserved Area
,
Gastroscopy
pp.1857-1864
発行日 2019年12月25日
Published Date 2019/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020105052
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対策型胃内視鏡検診はこれまで都市部を中心に行われてきたが、マニュアルに従った内視鏡検診が山間部を含む地域においても導入が可能か否かを検証した。問題となったのは、(1)地域における内視鏡のキャパシティ、(2)精度管理のための二次読影の方法とデータ管理であった。内視鏡のキャパシティは地域内の施設にアンケートを送り、一次検診の受け入れ可能件数と施設基準を満たすか否かを調査した。二次読影はキッセイコムテック社が開発した専用のソフトウェア内蔵のUSBメモリを用いて、須高医師会に所属する9人の内視鏡専門医が行い、データ管理は検診機関である健康づくり事業団に依頼した。その結果、2018年度は992人が受診し、発見がんは胃がんが6例(早期胃がん5例6病変、進行胃がん1例)、食道がん1例であり、がん発見率はあわせて0.71%(胃がん発見率は0.60%)と高率であった。基幹病院を中心とした医師会、市町村、健診機関の3者が協力・工夫することによって、山間部を含む地域でも対策型胃内視鏡検診の実践は可能である。
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