特集 バイオサイコソーシャルモデルで行う小児科診療-小児に根差す生物・心理・社会的医療とは
総論 バイオサイコソーシャルモデル(BPS model)とは
稲毛 康司
1
1日本大学医学部附属板橋病院 小児科
キーワード:
医師-患者関係
,
心理学的モデル
,
医療従事者-家族関係
,
生物モデル
,
患者中心医療
,
システム理論
Keyword:
Models, Biological
,
Models, Psychological
,
Patient-Centered Care
,
Physician-Patient Relations
,
Systems Theory
,
Professional-Family Relations
pp.1723-1729
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2020084111
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<Key Points>(1)バイオサイコソーシャルモデル(BPS model)とは、疾患や臓器ではなく個人としての「人」を中心に据え、包括的で統合されたヘルスケアを提供するための全体観で保健・医療を考える概念である。(2)BPS modelでは、「人」も生態系という複雑系システム内で生活をしている生物の一つである観点から、生物体全体の階層を強調するための垂直方向の積み重ね(生物圏の階層制モデル)と社会全体が連続性を保っている入れ子構造(生物圏の連続体モデル)との2つのモデルから「人」の健康を考える。(3)BPSアプローチにはナラティブ(物語り)で、問題を分析・追究する。(4)BPS modelには、個人ではなく対象集団のBPSの3要素の相関関係を考察して、BPSの側面からヘルスケアの向上をはかる別の概念化モデルがある。
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