特集 小児外科診療における合併症、偶発症-とっさの処置、その後の対応
Hirschsprung病根治術後の難治性瘻孔
柿原 知
1
,
川嶋 寛
,
石丸 哲也
,
田井中 貴久
,
加藤 怜子
,
青山 統寛
,
林 健太郎
1埼玉県立小児医療センター 小児外科
キーワード:
Hirschsprung病
,
再手術
,
術後合併症
,
腸瘻
,
腹腔鏡法
,
注腸造影
,
吻合部漏出
,
腹部CT
Keyword:
Hirschsprung Disease
,
Barium Enema
,
Reoperation
,
Laparoscopy
,
Intestinal Fistula
,
Postoperative Complications
,
Anastomotic Leak
pp.266-268
発行日 2019年3月25日
Published Date 2019/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2019182062
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月齢11、女児。日齢8に腹部膨満と哺乳不良を主訴に前医を受診、腸管穿孔と診断後、当院に救急搬送され、双孔式人工肛門を造設したが、術後26日目に直腸肛門内圧検査と直腸粘膜生検にてHirschsprung病と診断された。以後、腹腔鏡下Hirschsprung病根治術が行われるも、術後23日目に発熱を認め、直腸診で肛門3時方向の縫合不全が確認された。注腸造影検査および腹部造影CT検査を行ったところ、吻合部左側より頭側に伸びる瘻孔が認められた。以上より、本症例は術後縫合不全によるpull-through腸管壁内瘻孔と診断され、絶食、抗菌薬治療、経肛門瘻孔ドレナージが行われたが、瘻孔は閉鎖せず、根治手術の4ヵ月後に再手術を行った。手術は腹腔鏡補助下に行うことで、良好な視野のもと縫合不全部の再縫合と腸管の切開開放を施行することができた。術後8ヵ月経過現在、瘻孔の再発所見なく良好に経過している。
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