特集 小児外科診療における合併症、偶発症-とっさの処置、その後の対応
胃固定術後に発生した網囊ヘルニア
島田 脩平
1
,
高澤 慎也
,
内田 康幸
,
高本 尚弘
,
西 明
1群馬県立小児医療センター 小児外科
キーワード:
胃軸捻転
,
再発
,
腹腔鏡法
,
腹部X線診断
,
嵌頓
,
結腸疾患
,
注腸造影
,
横行結腸
,
胃固定術
,
ヘルニア縫合術
,
網嚢ヘルニア
Keyword:
Stomach Volvulus
,
Barium Enema
,
Colonic Diseases
,
Laparoscopy
,
Radiography, Abdominal
,
Recurrence
,
Herniorrhaphy
,
Gastropexy
,
Colon, Transverse
pp.241-244
発行日 2019年3月25日
Published Date 2019/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2019182057
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6歳女児。食後の繰り返す腹痛、腹部膨満を主訴に前医に入院後、胃軸捻転症と診断のもと、手術目的で当院へ転院となった。腹腔鏡下胃固定術の施行で、腹痛は軽減し退院となったが、術後6ヵ月目に腹痛が再燃し、注腸造影を行ったところ、下行結腸は虚脱しており、脾曲部結腸は屈曲が強く、通過不良が認められた。また、腹腔鏡での精査では横行結腸が盲嚢内を通過して小網裏面に嵌頓する内ヘルニアが確認された。そのためヘルニア門を患児右側方向へ切開、開大し、再発予防を行った。術後は5日目に退院となったが、8日目に内ヘルニアの再発を認め、1ヵ月後に腹腔鏡下内ヘルニア閉鎖術を施行した。だが、退院後も軽微な腹痛を訴えることもあり、目下は過敏性腸症候群としてトリメブチンマイレン酸塩細粒の内服と共に、両親を含めた心理カウンセリングを行っている。
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