手術症例報告
胃癌術後に発症した輸入脚症候群8症例についての検討
久保 寛仁
1
,
柴田 滋
,
和嶋 直紀
,
山中 祐治
,
袴田 健一
1弘前市立病院 外科
キーワード:
胃腫瘍
,
胃切除
,
Roux-en-Y吻合術
,
輸入脚症候群
,
腹部ヘルニア
,
胃空腸吻合術
,
腹腔ドレナージ
,
腹部CT
Keyword:
Anastomosis, Roux-en-Y
,
Afferent Loop Syndrome
,
Gastrectomy
,
Gastroenterostomy
,
Stomach Neoplasms
,
Hernia, Abdominal
pp.1631-1638
発行日 2016年11月15日
Published Date 2016/11/15
DOI https://doi.org/10.18888/J00620.2017080172
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輸入脚症候群は、胃切除後に再建を行った際にまれに発症する合併症で、治療が遅れると致命的となるため、経験した8症例の輸入脚症候群の臨床的特徴や治療方法を説明した。患者の平均年齢は65.8歳で、男性4名、女性4名であり、胃全摘が6名、幽門側胃切除が2名で、そのうち2名が腹腔鏡手術であった。内ヘルニアの3例は手術を施行し、腹膜播種の3例は経皮経肝十二指腸ドレナージを施行し、吻合部浮腫の症例は経鼻的チューブを輸入脚内に誘導し、癒着による閉塞例は癒着剥離術が施行され、全例、治療が奏功し改善した。本疾患の治療の基本は十二指腸の迅速な減圧であり、本疾患を念頭に置いた早期診断が重要であると思われた。
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