特集 新生児外科疾患の精神・身体発育
先天性食道閉鎖症
桝屋 隆太
1
,
加治 建
,
矢野 圭輔
,
大西 峻
,
山田 耕嗣
,
山田 和歌
,
川野 孝文
,
町頭 成郎
,
中目 和彦
,
向井 基
,
家入 里志
1鹿児島大学 学術研究院医歯学域医学系小児外科学分野
キーワード:
胃食道逆流
,
食道閉鎖症
,
身長
,
体重
,
追跡研究
,
心臓血管系奇形
,
後向き研究
,
BMI
,
直腸肛門奇形
,
吻合部狭窄
Keyword:
Body Height
,
Body Weight
,
Esophageal Atresia
,
Anorectal Malformations
,
Gastroesophageal Reflux
,
Follow-Up Studies
,
Retrospective Studies
,
Body Mass Index
,
Cardiovascular Abnormalities
pp.42-45
発行日 2019年1月25日
Published Date 2019/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2019141549
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先天性食道閉鎖症に対し新生児期に手術を行い、15歳以上に至った29例を対象に、身体発育状況(身長、体重、BMI)、晩期合併症、社会的予後、フォローアップ状況を後方視的に評価した。その結果、身長、体重およびBMIが同年齢の日本人の平均より低い傾向にあった。乳児期に5例、幼児期に1例が死亡し、残り23例の晩期合併症は胃食道逆流症が9例(39.1%)で、うち6例に噴門形成術を施行した。また、噴門部狭窄を12例(52.2%)に認め、うち11例にバルーン拡張を行い、うち2例に狭窄部切除端々吻合を追加した。中学卒業以降までフォローアップを継続した症例は7例で、うち6例(85.7%)が普通科高校に進学し、他の1例は養護学校に進学した。高校以上を卒業した5例中4例が就職していた。16歳以降までフォローアップを継続できた症例は7例(30.4%)であった。患児の長期QOLと社会的予後を良好に保つためには、思春期以降も定期的な経過観察が必要と考えられた。
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