特集 新生児外科疾患の精神・身体発育
先天性囊胞性肺疾患
渡辺 稔彦
1
,
大野 通暢
,
朝長 高太郎
,
田原 和典
,
菱木 知郎
,
藤野 明浩
,
和田 誠司
,
左合 治彦
,
諌山 哲哉
,
伊藤 裕司
,
義岡 孝子
,
金森 豊
1国立成育医療研究センター 外科
キーワード:
出生前診断
,
身長
,
体重
,
追跡研究
,
肺切除
,
先天性疾患
,
肺嚢胞
,
持続気道陽圧
,
新生児外科
Keyword:
Body Height
,
Body Weight
,
Follow-Up Studies
,
Prenatal Diagnosis
,
Pneumonectomy
,
Continuous Positive Airway Pressure
pp.35-38
発行日 2019年1月25日
Published Date 2019/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2019141547
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2004~2017年に肺切除を行った先天性嚢胞性肺疾患144例のうち、新生児期に手術を行った34例を対象に、胎児期、出生直後および肺切除術後のパラメーターを生存群と死亡群で比較した。その結果、生存群は28例、死亡群は6例であった。生存群は死亡群に比べ胎児水腫の頻度、在胎週数、Apgar Score(1分/5分値)、手術時間が有意に多く、術後の一酸化窒素の使用日数が有意に少なかった。術後の身体的発育については、生後6ヵ月程度までは体重と身長の増加は緩慢であったが、それ以降は順調に増加していた。外来経過観察中に染色体異常の合併が疑われた症例や、精神運動発達遅延を指摘された症例はなかった。手術合併症として、2例(7%)に漏斗胸手術が施行されていた。また、1例(4%)に脊柱管側彎症を認めたが、日常生活に支障を認めなかった。
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