特集 新生児外科疾患の精神・身体発育
超低出生体重児の消化管穿孔および腸閉塞における中期的精神・身体発育
近藤 享史
1
,
望月 響子
,
藤井 俊輔
,
大澤 絵都子
,
浅野 史雄
,
臼井 秀仁
,
北河 徳彦
,
新開 真人
1神奈川県立こども医療センター 外科
キーワード:
発達障害
,
視覚障害
,
身長
,
体重
,
腸穿孔
,
腸閉塞
,
聴力障害
,
脳性麻痺
,
後向き研究
,
超低出生体重児
,
発達検査
Keyword:
Developmental Disabilities
,
Body Height
,
Body Weight
,
Vision Disorders
,
Hearing Disorders
,
Retrospective Studies
,
Cerebral Palsy
,
Intestinal Obstruction
,
Intestinal Perforation
,
Infant, Extremely Low Birth Weight
pp.47-50
発行日 2019年1月25日
Published Date 2019/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2019141550
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超低出生体重児の消化管穿孔および腸閉塞32例を対象に、1歳6ヵ月時と3歳時に身長、体重、新版K式発達検査を調査した。主な疾患は壊死性腸炎(NEC)、限局性腸穿孔、胎便関連性腸閉塞症、胎便性腹膜炎(MP)であった。その結果、1歳6ヵ月時、3歳時ともに身長、体重は少ない傾向にあり、特にNEC、MPで顕著であった。精神発達については、1歳6ヵ月時は正常発達20%、境界領域35%、発達遅滞45%であった。NECは全例が発達障害で、MPに正常発達例はなかった。また、境界領域から発達遅滞へと進むほど、一期的吻合の割合が減少し、ドレナージのみや腸管切除・腸瘻造設の割合が増加した。3歳時は正常発達18.7%、境界領域37.5%、発達遅滞43.8%であった。合併症は1歳6ヵ月時に視力障害39%、慢性肺疾患合併13%、聴力障害13%、脳性麻痺8.7%を認め、3歳時に慢性肺疾患合併のみ改善した。視力障害の約4割、聴力障害の約3割が発達遅滞であった。
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