特集 新生児外科疾患の精神・身体発育
新生児気管狭窄症
前田 貢作
1
,
森田 圭一
,
河原 仁守
1兵庫県立こども病院 小児外科
キーワード:
気管狭窄
,
気管支鏡法
,
呼吸音
,
呼吸器系奇形
,
成長障害
,
気管気管支形成術
,
胸部CT
Keyword:
Bronchoscopy
,
Respiratory System Abnormalities
,
Tracheal Stenosis
,
Growth Disorders
,
Respiratory Sounds
pp.39-41
発行日 2019年1月25日
Published Date 2019/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2019141548
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3歳男児。喘鳴と体重増加不良を主訴とした。出生時より母趾多趾症、体重増加不良、先天性喘鳴があり、生後2ヵ月時より気管支炎を繰り返していた。生後6ヵ月時の硬性気管支鏡検査で右上葉気管支が気管気管支を形成し、盲端に終わっていた。肺動脈スリングを含め心内奇形はなかった。造影CTで右上葉が確認できず、中下葉が代償性に大きくなっていた。最狭窄部の気管径は約2mmであった。以上より、右肺低形成を伴う先天性気管狭窄症と診断した。8歳時にスライド気管形成術を施行し、術後に喘鳴が消失し、経口摂取量も増加した。体重増加は順調となり、術後3週に軽快退院となった。3歳時の現在、成長発達に問題はなく、元気に保育園に通院し、風邪で休むことも殆どない。
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