特集 Muse細胞 -現状と将来展望-
6.虚血・再灌流性肺傷害におけるMuse細胞を用いた治療戦略
岡田克典
1
,
矢吹皓
2
Yoshinori Okada
1
,
Hiroshi Yabuki
2
1東北大学加齢医学研究所 呼吸器外科学分野 教授
2東北大学加齢医学研究所 呼吸器外科学分野 分野研究員
pp.227-233
発行日 2019年1月30日
Published Date 2019/1/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201902227
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肺移植後急性期の重篤な合併症である虚血・再灌流傷害に対する細胞治療の効果を動物モデルで検討した。ラット左肺に2時間の温虚血負荷を加え,その後再灌流したところ,著しい肺傷害が認められた。再灌流直後に間葉系幹細胞(MSC)またはMultilineage-differentiating stress enduring cells(Muse細胞)を左肺動脈から投与した群では,肺傷害が生理学的・組織学的に改善され,その効果はMuse細胞投与群でより大きかった。この作用には,Muse細胞が分泌する様々な抗炎症,組織修復因子が関与することが推測された。